校章

大橋 良三 元星陵高校教諭

戦乱の動雲が治まり、国内の秩序が漸やく回復し始めた昭和23年4月、県立第四神戸中学校は県立垂水高等学校となり、新しい教育の体制が整えられた。この時、校章の作製に当った私は、誠実、真剣、不屈の精神を込めて高一字のデザインを作り、幸いに職員会議の承認を得て、銀色に輝く校章が出来たのである。当時は、今のものより直線的で、端が鋭くとがっていた。

昭和23年9月、垂水高校は半年で、県立商業高校と統合され、ここに現星陵高校が生まれたのである。これに伴って校章も新らしく作ることになり、両校の先生方の中から数名が校章制定委員に選ばれ、迂余曲折の後、現校章が決まった。この校章は、統合された垂水、県商両校の伝統を生かし、それぞれの特色を融合せしめたもので、星陵創設の苦難と努力とをまことによく表わしているものである。

校章はその学校の象徴であり、生徒の心のよりどころでなければならないが、それだけに、何時までも創設当時の精神を忘れず、その形体を正しく伝えなければならないと思う。

昭和39年発行 『創立記念誌 第一号』より