第62回卒業証書授与式挙行

3月1日(月)星陵高等学校にて第62回生の卒業式が行われました。 以下、中尾 清同窓会会長の祝辞です。

「祝辞」

同窓会を代表して、お祝いの言葉を申し上げます。62回生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。保護者の皆さん、今日のよき日を迎えられまして、誠におめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。
皆さんは、本日3年間共に過ごした友人達と別かれて、また、温かく時には厳しく指導してくださった先生方に送られて母校星陵高校を、巣立っていきます。
皆さんは、今からこの「山あり谷あり」の永い人生を自分の力で切り開いて行くことになるのです。さて、その覚悟はできていますか。何も脅かしているのではありません。どうすればいいのでしょうか。それはどのような人生の局面にあっても「決して最後の最後まであきらめるな」「ここ一番のときには集中力を発揮せよ」ということではないか、と私は思います。
このことを地でいった話をさせて頂きます。それは母校アメリカンフットボール部の試合であります。皆さんが1年生の時のことです。2007年5月4日、の兵庫県決勝のときのことです。内心「またぼろ負けか」と思いつつ、関学のグランドに、応援にいきました。キックオッフしてからどちらのチームかと見間違えるような星陵の活躍であり、我が目を疑いました。「おー、星陵やるやないか。ガンバレ!」と久方ぶりに興奮気味で応援しました。なんと第四クオーターまで9対0で勝っておりました。「これはひょっとするとひょっとするぞ」と思っていました。が、さすが関学高等部です。第四クオーターに7点を返し、7対9にし、一進一退。息詰まるような攻防が繰り広げられておりました。残り数秒、関学の攻撃、最後のワンプレイです。選択肢は、タッチダウンパスしかありません。観客が息をのんで見守るなか関学のクオーターバックからパスが投じられました。そのパスを関学のレシーバーがキャッチしました。万事休す。久しぶりに星陵の勝利を念願しておりました小生にとって、奇跡としかいいようのない幕切れでした。関学の最後まであきらめないという精神力とチーム一丸となった集中力の発揮でした。「あっぱれ!関学」。しかし、星陵もよくやりました。すばらしい両チームの戦いでした。
このことから、私は「最後の最後まであきらめるな」「ここ一番のときには集中力を発揮せよ」
「never never surrender」「ベストをつくせ」ということを申し上げたい。それが、成功であれば、奢らず。勝って兜の緒を締めよ」。失敗であれば、それから学び、それをテコとして前に進んでいくことが、人生を切り開くうえでの「鍵」であると私は思います。
いま日航の再建に奮闘中であり、京セラの創業者である稲盛和夫さんは、成功のため方程式として「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」を掲げています。能力とは、才能や知能といった「先天的な資質」を表し、熱意とは、情熱や努力する心といった「後天的な努力」を表し、考え方とは、哲学や思想、倫理観といった生きる姿勢、それらをすべて包含した「人格」を表す、とされています。
熱意と能力の点数は、「1~ 100点」、考え方は、「- 100~100 点」とされている。たとえ“熱意”と“能力”が満点であっても、“考え方”が「-」であれば、人生の結果はマイナスとなります。したがって、プラス指向で“熱意”と“能力”があれば、人生・仕事の結果は、きっと良いものになる、と説かれています。私も、自分の人生経験からして、その通りだと思います。
さて、母校・星陵高校は、昭和16年創立の「四中」といいますが、兵庫県立第四神戸中学校の学統を引き継ぎ、来年、70周年を迎えます。校史を振り返りますと、「四中」は、昭和23(1948)年、戦後の学制改革で、明治11年創立の「県商」すなわち兵庫県立第一神戸商業学校と合併し、普通科・商業科からなる綜合制の星陵高校となりました。
「県商」は、創立に福沢諭吉も係わったというわが国では一橋大学に次ぐ歴史をもつ商業学校です。昭和37年4月、その「県商」が復活し、兵庫県立神戸商業高等学校が開校されました。商業科は、募集停止になり、2・3年生のみが在校し、昭和39年3月最後の商業科生が卒業し、4月から普通科単独の高校として現在まで校歴を重ねてきました。この綜合制の星陵高校があったということは、皆さんにも知っておいていただきたいのです。
現在の星陵高校は、昭和16年創立の「四中」を源流とするものの、明治11年創立の「県商」のDNAも持っているということも忘れないでいただきたいのです。なにも古いことだけが良いということではありませんが、それだけ経済界・官界・学界などの各界で色々な活躍をした先輩たちから学ぶ機会が増えるということです。これが伝統の力だと思います。星陵高校は、「一中」すなわち神戸高校、「二中」すなわち兵庫高校、「三中」すなわち長田高校に決してひけをとらない歴史と伝統、実績を持った学校であることを認識しておいて下さい。
さて、同窓会では、母校・星陵高校の記念すべき創立70周年に向かって学校・PTAと記念事業の準備を進めているところです。
たとえば、
(1)記念式典や記念祝賀会
(2)記念事業
① 記念誌
② 「四中学徒青春の記録」(仮題)
③ シンボルマーク
④ 記念品(シンボルマークバッチ、シンボルマークストラップ、「星陵歌集」(CD)、「母校の歩み」(DVD)など)
⑤ 記念イベント(音楽祭、作品展、ゴルフ大会、植樹祭、薪能(要検討)など)
62回生の皆さんも明日からわが同窓会の一員です。70周年記念事業の成功のため積極的に係わって下さい。よろしくお願いします。
最後に、皆さんは、それぞれ進む道は異なっていますが、稲盛和夫さんがいわれるプラス指向で“熱意”と“能力”を発揮して進んでください。
同じ校舎・校地で学び同じ校歌を歌って卒業して行った同窓生は、皆さんの応援団です。ぜひ、同窓会活動に主体的に参加して、「失敗」や「成功」を語りあい、学びあい、そして、同窓生同士の絆を深め、支えあって豊かな人生を築こうではありませんか。ご卒業おめでとうございます。(2010年3月1日)