平成23年度文化講座「言葉を変えると心が変わる!?」向江幸洋(星陵高校教頭)

~あなたのものの見方、考え方をちょこっと変えてみませんか~
 

 

 

 

 

 

 

 
午前中の雨はなんとか上がりましたが、足もとはまだまだ冷え込む2月25日、向江教頭先生による
文化講座が星友館にて行なわれました。
会場はオルゴールの音が流れ、癒しの空間で来場者をお迎えします。

向江教頭先生は国語教諭時代「リストカット」「摂食障害」など自分の尺度に合わない子どもたちを見て、
カウンセリングの道へと進まれたそうです。治すカウンセリングではなく、そうならない為の育てるカウンセリング…
中学校や高校の職員研修会などでも啓蒙的にお話されているそうです。

今回のメインテーマは『ものの見方、考え方をちょこっと変えませんか』
「人生終わりだ!と思ってしまうようなことも、見方によってどう変えられるかを一緒に考えてみましょう」という先生の言葉で講演会は始まりました。

脳は2つ以上のことに集中するのが難しいこと、だまし絵・錯視など映像を通じて脳には精巧な面と不確かな面が
あることなど、脳の機能が次々と解き明かされていきます。
バスケットボールのパス回数を数えるのに集中していると、ムーンウォークで横切る着ぐるみのクマに気付きませんし、
カードゲームのカードに集中しているとその背景の色が変わったことにも気付かないのです。

その後、向江マジックにかかった来場者は、自分たちが乗った飛行機が砂漠に不時着したという想定で生き残れるか
どうかを賭けた実習へと続きます。自分自身の思いを伝えることの難しさ、その過程で味わう人と人の関わり合い、
受け止め方、グループでの話し合いは熱気(助かりたい)と愛情(救いたい)で満ちていたと思います。
同窓会の先輩方、PTAのお母様方と世代を越えたディスカッションは本当に楽しかったです。
家に帰ってからもこの実習の話を家族の方にされたとか、生徒たちにも講演してほしいといった声が多く寄せられました。

講演の最後は、「縁を生かす」という文章の紹介で結ばれました。
ある生徒と先生の出会い。両親が亡くなった後も続いた先生への感謝の気持から届けられたカードの数々。
結婚式の招待状に添えられていた「母の席に座って下さい」というひと言。
子を持つ母として涙なくしては聞けませんでした。
どんな子も、どんな人もそのような縁に恵まれてほしいと願わずにはいられない感動的な『縁ディング』でした。

向江教頭先生、素晴らしい講演をありがとうございました。