「吹奏楽部でつながる、たくさんの人との出会い」岡田 嶺(高53)

今回リレー連載コラムの依頼を受け、あまり文章力のない僕ですが、頑張って執筆させていただきますので、お付き合いのほど、よろしくお願いします。

高校時代は吹奏楽部に所属していました。中学校ではソフトテニスをしていたので、高校でもテニスをしようと思っていました。
しかし、たまたま同じクラスの男子に中学から吹奏楽部に所属していた友人がいたので、なんとなく一緒に見学に行くことになりました。そして、なんとなく入部…。腕が長いから、ということで半ば強制的にトロンボーンという楽器になりました。(トロンボーンは、伸び縮みする金管楽器です)初めて体験する楽器の保持姿勢で、椎間板ヘルニアになりかけました…。冬場は乾燥で唇が割れて、とても痛かったです…。女子に囲まれて肩身の狭い思いもしました…。あくまで僕個人の場合ですが、どちらかと言うと、部活動では、楽しかった思い出よりは、しんどかったり辛かったりした思い出の方が多かったかもしれません。吹奏楽部を引退し、星陵を卒業してからは、何年かに1度、数回練習して現役の定期演奏会にOBとして参加するために吹くくらいで、ゆる~く楽器を続けていました。

ここまでの話を読まれた方は、「こんなんじゃネタにならんやん!」と思われたかもしれません。しかし!!ここからが僕の話の本番なのです。

「ゆる~く」楽器を続けていたある日、ふとひらめいたのです。『星陵吹奏楽部OBだけで演奏会をしたら面白そうやな』 思いついたのは、布団に入り、まさに寝ようと思っていた時です。妻(同じく星陵吹奏楽部の53回生岡田(旧姓:木村)仁美)にちらっとつぶやいたが最後、寝るのも忘れ、話が大いに盛り上がりました。その日のうちに企画を練り、次の日には企画書を作り、演奏会実行委員会も発足させました。(企画書を作った時には知らなかったのですが、実は1991年にもOB演奏会を開催していたのを、後々知りました。この演奏会が実現すれば、実に21年ぶり!のOB演奏会となります。責任重大!)

早速スタッフを集め、打ち合わせを重ね、会計処理や練習会場探し、パンフレット作成、演出用小物作成、楽器調達、演奏指導など、全て手作り、そして手探りで演奏会を作り上げていきました。演奏会を開催する上で一番大切な出演者については、口コミで参加を呼びかけるのがメインでした。最初はなかなか呼びかけがうまくいかず、目標としていた70人に届くか不安でしたが、初回練習では30人程度が参加し、まずまずのスタートとなりました。練習は月に1、2回程度で、現役の時の雰囲気とは違い、和気あいあいと楽しい雰囲気でしたが、いざ演奏する時は集中して練習していました。これぞ大人の集中力、という感じです。また、練習を重ねるにつれ、練習の参加者がさらに先輩同期後輩を連れてくる、という好循環となっていき、演奏会への参加者が少しずつ増えてきました。中には、高校卒業以来20年以上楽器を触っていなかった方が参加したり、高校の時とは違う楽器をやり始めて、その楽器で参加した方もいました。

そして迎えた、「星陵ウィンドアンサンブル演奏会2012」当日、2012年9月30日。なんと、台風17号が近畿地方を直撃してしまったのです!しかし、暴風雨の中、初めて出演者全員が集まりました。その数、実に72名。上は29回生、下は64回生まで、幅広い年齢層が集結しました。司会や受付などのスタッフも含め、総勢80名以上の大所帯となった星陵高校吹奏楽部OB。ホールが狭く感じたのは僕だけではないと思います。リハーサルの時間は少なかったので、少し緊張感が漂っていたホール内。この雰囲気も演奏会ならではの醍醐味だと僕は思います。リハーサルが終了し、出演者、スタッフ全員の集合写真を撮りました。皆さん自由気ままなことをしています。(センターでトロンボーンとギターを抱えているのが僕です)この自由さも星陵生らしさですね!

いよいよ開場時間が近づいてきたので、こっそりホール入口に様子を見に行きました。まず驚いたのが外の風雨の強さ!さらに驚いたのが、その状態にも関わらずお越しいただいているたくさんのお客様…。吹奏楽部創部当時の大先輩(四中生です!)の方々も駆けつけてくださいました。胸が熱くなってきたのを今でも覚えています。(写真は演奏会当日に掲示していたポスターです。『母校へようこそ!』いい響きです)

そして、一度しかない演奏会本番。本番には多少のミスはつきものです。そのミスも含めて良い演奏会だったと自負しています。その理由は、お越しくださったお客様はもちろんのこと、出演者の皆さんも楽しんでいたからです。本番後の皆さんの達成感に満ちた、楽しそうな顔を見て、「この笑顔のために、今まで頑張ってきたんだ」と思いました。この達成感は何度味わっても心地良いものです。

演奏会では、僕は実行委員長として皆さんのまとめ役を務めていましたが、僕の力は本当にわずかだったと思います。無事に演奏会を開催できたのは、出演者の皆さん、実行委員会の運営スタッフ、練習の時に楽器などを貸してくださった他吹奏楽団体の関係者の皆さん、練習場所や本番の時に楽器を貸してくださった現役吹奏楽部の皆さん、演奏会には参加できないけど応援してくださった皆さん、演奏会を聴きに来てくださったお客様、皆さんのおかげだと思っています。遅ればせながら、厚く御礼申し上げます。

今回の演奏会で感じたことは、「人とのつながりの大切さ」です。年齢も、現役だった当時の部活環境もバラバラだったはずなのに、「星陵高校吹奏楽部」というたった一つの共通点を持った人が再び集まり、一つの音楽を奏でることができる。その場所では、一般の吹奏楽団では感じることのできない、ある種の一体感を感じることができました。そして、その一体感を感じることを可能にしていたのは、人と人とのつながりだと思います。たくさんの人と出会い、さらに新たなつながりを広げていきたくなりました。そこで、現役の定期演奏会の賛助出演などでしか活動できていなかった「星陵ウィンドアンサンブル」を本格的に始動しようと、5月から活動を開始しました!!目標は、星陵ウィンドアンサンブル演奏会2014の開催!!皆様のお越しをお待ちしています♪

<このコラムを読んだ吹奏楽部の先輩、後輩の皆さんへ>

まずは、ぜひ一度練習を見学してみてください。(楽器をお持ちであれば、持参の上お越しくださればさらに嬉しいです)去年の演奏会には参加できなかったけど来年は都合をつけて参加したい、楽器を吹きたい場所を探したい、久しぶりに仲間と会いたい、先輩や後輩がどんなことをしているかを見てみたい、どんな理由でもOKです。
星陵ウィンドアンサンブルは、星陵高校吹奏楽部OBならどなたでも歓迎いたします!

お問い合わせ先:
seiryo_wind_ens@yahoo.co.jp(管理人:53回生 岡田嶺)