「星陵高校と私の音楽人生」伊藤 善之(高34)

現在私はランティスというアニメ音楽のレコードメーカーを経営しています。

それは星陵という学校が私に迷いながらも人生の道筋を教えてくれたことが
原点になっています。

当時の私は学業もそこそこにして、とにかくバンド活動に打ち込んでいました。
ですが私がやっていた音楽は既存曲をコピーするというものではありませんでした。
他校とは違うオリジナル音楽を作り出すという行為を高校からやっていました。
それは星陵という学校の雰囲気に沿っていると思います。

お行儀よくうまい演奏をするということよりも何かを生み出し、自分を表現する、
この感じは形式にとらわれない星陵という神戸の中のこのポジションならではの感じがしていました。

そういった精神を頼りに私は単身東京の大学に入学し、音楽活動を続けました。
20代は音楽家としてやれるところまで頑張りましたが
挫折は訪れ、演奏家より音楽プロデューサーの道を歩み出します。

そしてまわりまわってアニメの音楽を専門に作るレーベルを立ち上げ今に至ります。
このランティスという会社もまた反骨精神にあふる星陵のようなガツガツした会社です。
設立15年になろうとしていますがまだまだ若くて、エネルギーにあふれています。
思えば私の星陵高校から続く反骨心や圧迫感や挫折感はこの会社のエンジンになっているようです。

私が小さいながらもレコード会社を立ちあげられたのは
星陵の地に打ち込まれた迷いの情念と上昇志向のおかげだと思います。
夢というものは形を変えながらも自分の信念を昇華せるために
喘ぎながら輝いていくものだと思います。
諦めないで曲がりながらも、たどってみれば結局一本道。
戻ることのできないそういう人生を歩んでいます。
まさにこれがとても星陵ぽいと思います。

この学校はスマートに生きるだけではない、力強い人間が多いのではないでしょうか。

http://www.lantis.jp