「高校時代の思い出と現在の仕事について」加藤 恵(高44)

今回、僭越ながらコラムを執筆させていただくことになりました。どうぞお付き合いください。

私は大学進学時に神戸を離れ、現在は三重県津市にある江戸時代から続く老舗の餅店に嫁ぎ、小学4年生の娘と小学2年生の息子と4人家族、主人と義父母たちと仕事をしております。

私は垂水中学だったのですが、その頃から星陵に強い憧れを持っていました。吹奏楽部でクラリネットを吹いていましたが、部活をやっていると星陵高のOB・OGの方がよく訪れていろいろと指導してくださいました。自由な校風と先輩方がイキイキして見えたので、私は星陵高に入って部活を続けよう!と決めたのでした。

念願叶った高校時代は部活に明け暮れる毎日で、それこそ放課後土日のほとんどの時間を部活仲間と過ごしました。残念ながら、コンクール等ではそれほどの成績は残せませんでしたが、一緒に過ごした仲間たちとは、現在でも連絡を取り合い、家族ぐるみで仲良くしてもらっています。これは、私の高校生活での大切な宝物となっています。

大学進学と同時に神戸を離れ、三重県津市に暮らしました。そこで主人と出会いました。

主人の実家は、三重県津市で江戸時代から続く老舗の餅店でした。

私は当時、化学系の研究職を目指していたので、まさか自分が餅店の女将さんになるとは、想像もしていませんでした。進学も就職も狭き門で、なかなか就職が決まらず、とても苦労しましたが、大阪にある化粧品の研究開発職に就くことができました。

その頃は、会社がとても楽しく仕事にもやりがいがありましたが、女性は同世代の若い子が多く、結婚や子育てをしながら働くという社風はなく、一緒に働いていた同期のほとんどが、結婚や出産を機に退職していきました。苦労して就職した会社でしたが、私も結婚を機に退職する道を選びました。

嫁いだ先の「玉吉餅店(たまきちもちてん)」は、初代 玉屋吉兵衛(たまやきちべえ)に由来するとされる屋号で、江戸時代後期創業 主人で9代目の老舗です。

実は私も最近になって知ったのですが、三重県には赤福餅だけでなく、県内各地に江戸時代から続く名物のお餅が15種類以上もあるそうです。江戸時代、お伊勢参りの旅人に茶屋がお餅でもてなしたのがルーツとされていて、津の「けいらん」という餅菓子も江戸時代から受け継がれており、今はもう作っている店も少なくなっていますが、玉吉餅店では今も変わらず作り続けています。

2010年5月には「秘密のケンミンSHOW」にとりあげていただき、東京 日本橋にオープンした「三重テラス」と来春オープンする三重県総合博物館には「玉吉餅店のけいらんのレプリカ」が県内各地の餅菓子とともに展示されるそうです。

玉吉餅店は、昨年11月に新店舗をリニューアルオープンしまして、お客さんも倍増し、雑誌やテレビの取材も受けるようになり、パートさんやアルバイトちゃんも増え、おかげさまでうれしい悲鳴をあげております。

現在、玉吉餅店のイチオシ商品は、「みたらしだんご」と「やじろ」です。

みたらしだんごは、上新粉をこねて蒸かし、お餅のように杵でついてまるめた、なめらかな団子。それを香ばしく網で焼き、本葛でさらりととろみをつけた甘辛醤油ダレをからめました。真ん中をへこませた楕円形のだんごは、津の伝統。火が通りやすく、食べやすく、タレがよくからむ、おいしいカタチです。

やじろは、もち米にうるち米を混ぜてついた、この地方独特のお餅「たがね」。それを短冊状に切って串にさし、香ばしく網で焼き、本葛でさらりととろみをつけた甘辛醤油ダレをからめました。うるち米のぶつぶつとした食感が面白く、どこか懐かしい味わい。お餅のおこげにタレがからんだ香ばしさがたまりません。

新店舗がオープンしてから、イベント時には1日1500本以上売れるようになり、来年1月には、仙台の百貨店の物産展に出店依頼をいただきましたので、初の県外遠征に行ってまいります。

「冷凍みたらし、冷凍やじろ」のインターネットでの通信販売も順次はじめる予定にしております。詳しくは、HPをご覧ください。

当店のお菓子を写真で紹介します。

「なごみ」

「十穀おはぎ」

「栗かのこ」

「月見だんごと月見うさぎ」

「ジャックオランタン饅頭」

「芋きんつば」

「高虎だんご」

「チョコきなこ羽二重」

「こいのぼり」

「おはぎ」

「初誕生 背負い餅」

玉吉餅店HPはこちら↓↓
http://www.tamakichi9.com

twitter↓↓
@tamakichi_yome

最後に。

土日祝日、盆と年末も仕事をしているので、なかなか神戸に帰省できず、同窓会やイベントに参加できなくて残念ですが、Facebookなどで皆さんの活躍を拝見して、「私もがんばらなくっちゃ!」と刺激をいただいております。

大変なことも多い仕事ですが、お客さんの声がダイレクトに届き、商品開発から製造、販売促進のポップ、値札、掛け紙などのデザインも、子育てをしながら、楽しみながら取り組んでいます。

よろしければ、玉吉餅店のFacebookに、いいね!していただければ、幸いです。

お付き合い、ありがとうございました。