「大好きな街”神戸”でのセレクトショップ開業」岸根 早雪(高58)

「なんと良いタイミング!」

コラムのご依頼をいただいたタイミングは絶妙でした。

と言いますのも、2013年5月31日に神戸JR住吉駅にセレクトショップ「のーとる」をオープンして、ちょうど半年が経ちました。

これを機に星陵高校時代から今に至るまでを振り返りたいと思います。

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「日本の『粋』なモノを集めた『カラフル』な雑貨屋」 

のーとる 

http://notre-net.com 

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※JR住吉駅から徒歩3分のセレクトショップ。「のーとる」

中学生の頃、星陵のオープンキャンパスに行き、アイスクリームを食べながら渡り廊下でおしゃべりをしている先輩方の姿を見てなんて自由な校風なのだろうと憧れを覚え入学。

入学後もやはり自由な校風の中、高校時代を過ごしましたが、遊ぶときは遊ぶ。やるときはやる!という星陵で培った姿勢は今も大切にしています。
高校時代の友人は今も私にとっての宝物です。

星陵高校を卒業後は、大学に進学のため上京。大学卒業後は、素材メーカーに就職し、最初の配属先は栃木県。
現場へ行くためのヘルメットを相棒に、工場での、勤労のお仕事をしていました。
そのとき、転機となった1つの出来事が「東日本大震災」でした。
車の中で一夜を過ごしたり、従業員の方のお家に泊めて頂きながら通勤していましたが、
私にできることといえば、本当に微々たるものでした。
工場の一日でも早い復興のため、ただただ一生懸命に仕事をしていました。
正直なところ地震後数週間のことは、具体的によく思い出せないのです。

数か月して落ち着いてきた頃、ふと「このままで良いのかなぁ。人生一度きりだし」という気持ちが生まれてきました。
それと同時に、夢みていたセレクトショップが開きたいという願望も漠然と出てきましたが、退職をする勇気もなく、その後東京に異動となりました。
そこでは、学生の採用担当としてお仕事を任されました。

学生に仕事を説明する機会や私自身のキャリアプランを聞かれることが増え、「このままで良いのかなぁ。」という想いはますます大きくなっていきました。
それに加え、東京に異動になったことで、休日には色々なお店や展示会に行くことができるようになりました。
心に秘めていた夢を少しずつ言葉にする機会が増えていったのです。

そしてある雑貨屋の店主さんの言葉が私にとっての勇気になりました。
「いつでも、お店をやろうと思えば始めることはできるよ。」
(…だから、焦る必要はない)※←その当時、私にはこの部分は聞こえませんでしたが。
お店をするということが夢物語ではないと思い一念発起。会社を退職し地元神戸に帰りました。

※鳥取県の窯元さんにて商談。

周囲の反応は意外とクールでした。
私が事業計画書を書くまでは、本気にしていなかったというのが、正確かもしれません。

神戸に帰ってきてからは、働きながら、休みの日には店舗物件を探す、商品の仕入ルートを開拓するという日々を送っていました。

そこからは、応援して下さる周りの方々のサポートや物件との出会いがありオープンの日を迎えることができました。

※オープンと同時に沢山のお花が届きました。

会社員としての安定を手放すことにそれほどの不安はありませんでした。
かといって自信もありませんでしたが。

お店に限らず、何か新しいことを始めるときは、先が分からなくて当たり前だと思っていたから。
失敗しても、やり直しはきくはずだと。

開店してからは、一喜一憂の毎日。
一日一日があっと言う間に過ぎていき、休みのないの毎日ですが、今はこういう時期だと思い楽しく過ごしています。

※野外出店イベント「ロハスフェスタ」 写真右側の妹も星陵高校出身です。

「セレクトショップの店主は私にとっては理想的な仕事」と言えることはとっても幸せだと思っています。
責任が伴うけれど、自分のお店だからできることが沢山あります。
とはいえ、まだまだこれから。

「期待されていることの少し上をいく。」
このことを心掛け、沢山の人に愛されるお店を作っていきたいと思っています。

同窓会・懇親会や住吉の街でお会いすることがございましたら、ぜひお声かけくださいね。