「私が服飾デザイナーになるための一歩を踏み出した星陵高校時代」畑 江里(高31)

31回生 畑江里です。

今私は、服飾デザイナーとして、自ブランドmoi-même(モワメーム)を一人で運営しながら、アパレル様へのディレクション業務やコラボデザインの提供などのお仕事をさせていただいてます。

星陵高校を卒業して服飾専門学校に通い、22才から神戸のワールドに22年、主人の勤務先が東京になったことを機に東京のワールドに2年勤めました。
その後、両親の介護で1年休職した後、オンワードに勤めて6年後、独立して今に至ります。

ずっと大手アパレルにいて、社会人としてはもちろん、服飾デザイナーとしての知識と技術を徹底して学ぶ環境を与えていただけたことは、本当に感謝の思いでいっぱいです。

恩返ししたいの一心で務めていましたが、50才を目前にして、一生現役でいるためには、今独立して自分の足元を固めたいと決心した次第です。
そして私自身が着たい、大人可愛い心地よい服をつくりたい思いで、仏語の”moi-même”日本語の意味は”私自身”を、自ブランドの名前にしました。

実際独立してみますと、足元を固めるどころかフラフラで、自分一人養えない状況に四苦八苦していますが、家族の支え、知人友人の応援のおかげさまで、何とかやってます。

独立して肌身にしみているのは、周りの人が差し伸べてくださる応援の手、励ましの言葉の数々です。

自ブランドを世に出し続けること、他社様のブランド運営に関わらせていただくこと、それは、今まで大手アパレルの中のデザイナーとしてデザインに関わる業務のみに集中していられた私にとって、営業、経理等、今だにとてもできているとは言えない様々な業務の数々を思い知ることでした。
恥ずかしいほどにデザインしかできない私のことを、見捨てないでくださっている周囲の方々に感謝でいっぱいです。
まだまだ修行中の身ですが、今までがそうでしたように、大げさなようですが、石にかじりついてもやり抜きたいと思っています。

この覚悟のような思いは、星陵高校2年生の進路決定の頃、デザイナーになりたいと公言した時に私の中に根差したものです。

幼い頃から服が大好き、着飾ることが大好き。大好きなことを仕事にしたい。
だから服飾デザイナーになりたい。だから服飾専門学校に行きたい。
とてもシンプルな流れだったのですが、当時は専門学校の認知度が高くなく、受験しない就職もしないというのは、周囲の大人、先生方はもちろん家族からも本気かと確認され反対もされ、とても心配されました。

一人一人に自分の気持ちを説明し説得していくうちに、正直ただの夢や憧れだった思いが現実のものとなり、心に根をおろし、今だに諦めない覚悟となって私の中にあるのです。

そんな私が服飾デザイナーになって一番良かったと思う瞬間。それは、私の服を着て幸せそうにしてくだってる笑顔や声をいただいた瞬間です。

この”一番”は、時々私のところにやってきて、ガンバレ!と励ましてくれます。

欠けがえのない瞬間です。

考えるほどに感謝でいっぱいの今までのこと、デザイナーになるための一歩を踏み出した星陵高校時代の思い出を、振り返る機会をくださってありがとうございました。

最後に私のブランドのhpをご紹介させてください。
お時間よろしければのぞいてみてください。

http://moi-meme.me

2015AWカタログより