「押花アートとの出会と押し花アートの魅力」小村 真里子(高24)

高校の2年の時にコーラス部に入部しました。一つ上の23回生は20人以上いましたが 私達の学年は 3年になった時点で10人と寂しい限りでした。
しかし卒業記念にと一念発起!土曜日午後(当時はまだ土曜日も授業がありました。)コンサートを行いました。照明からすべて私達で行いプログラムも組曲「山に祈る」からPPMまで!
確か講堂にお客さまも満席状態だったように覚えています。あの当時は体育祭文化祭の前後は前夜祭、後夜祭があり、ファイアーを焚いて夜8時頃までしていたと思います。
ちょうど学生運動が盛んな頃で何度も生徒集会が行われ、1年で運動靴のみだったのを革靴許可、2年で男子の丸坊主から長髪OK!3年で制服自由化!卒業前の遠足?ではほとんどの生徒が私服で行きました。何故か王子動物園へ!!そんな時代です。今の高校生より自立していて大人として扱ってもらっていた、いい時代でした。世の中も。

そんな思い出多き高校生時代から42年。
昨年12月に初めて押花アートの個展をトアロードにあるトアギャラリーでさせていただきました。

押花との出会いは10年前。学生時代からピアノとエレクトーンの講師をしながら結婚して4人の子供を育て、50歳になって音楽とは別に何か新しいものに挑戦したいと考えていたときでした。たまたま通りがかった神戸駅地下にあるデュオ神戸ギャラリーで開催されていたたなかみずえ先生の押花アートの個展で今まで見たことのない立体的で日本画のような繊細な流れのある押花作品にこんな押花作品があるのかと驚きと感動でいっぱいでした。その出会いは衝撃的なもので、一週間後には教室に通い始めました。

子供の頃に本に挟んだ押花ではなく特殊な乾燥シートという紙に挟み何回かシートを替えて出来るだけ早く乾燥させます。
乾燥しにくい花は乾燥シートごと電気毛布にくるんで乾燥させます。季節、花の新鮮さ、気温、湿度によって押花の出来上がりが違ってきます。カラーなどの花は特に難しく押花にしても半分は使えない時もあります。

ただ押すだけではなく最近は漂白剤に漬け込み色を抜き白を生かした作品や漂白したものに色を付けることもあります。
グロリオサを漂白して金魚の尾ひれにできると偶然見つけた時は嬉しかったです。

雑草(くず、スイバ、など)を使うことも多く車を運転していても使えそうな雑草を見つけてはスーパーの袋とハサミを持って取りに行き花屋を見つけては何か珍しい花はないかと覗いてみたり、スーパーで買い物中もこの野菜(果物)の皮を押したら使えるやろか……という毎日です。

背景に使う和紙は水性のスプレーを何色も重ねて使います。
枝の曲線、葉、花びら、それぞれの形をなるだけそのまま生かして作品にします。

今は 3年前から考えている龍に挑戦しています。
くずの葉で作った人、ゴーヤで作った人がいますがまた違ったもので考えています。

押花と出会ったことで先生をはじめたくさんの仲間ができました。個展をしたことでいろんな方にも出会いました。虫の写真を撮る人、絵描きさん、画廊巡りをする人、漢字を絵のように書くご主人を持つ人。

あの日、みずえ先生の押し花に出会ってなければ個展をすることもなかったでしょう。仲間にも会えてなかったでしょう。大きなたくさんのお金では買えないものを得ることができました。出会いって ほんとに素晴らしいと思います。これからもどんな出会いがあるか楽しみです。
次回また個展が出来るようさらに挑戦していきたいと思います。

(トアギャラリーで検索、過去の作品で個展の作品を見ることができます。
是非、ご覧になってください。)

神戸トア・ギャラリー
小村真里子・押花アート展/子午線より心を込めて
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