「今をささえるもの」藤田 さや香(高56)

この度、LINK星陵のコラムを執筆させていただくことになりました、56回生の藤田さや香です。
今回、このようなコラムを書かせていただけるチャンスをいただいて、
大変ありがたく思います。つたない文章ではありますが、自分の高校時代から現在までを
振り返ってみたいと思います。

高校時代の思い出といえば、一番に挙げられるのが吹奏楽部で過ごした日々です。
先日、第40回定期演奏会を見に行きました。現役の後輩たちが一生懸命に真剣に、
そして何よりいい音楽を作り上げたいという純粋な思いで音楽に向き合う姿に
感動しましたが、自分たちも同じように仲間と過ごした日々があったことを思い出しました。 

吹奏楽部の大きな行事としまして、定期演奏会と吹奏楽コンクールが挙げられます。
定期演奏会では音楽面だけでなく演出面でも力を入れており、いつも工夫を凝らして
演劇形式でパート紹介を行ったり小道具、時には大道具を使ってお客さんに
楽しんでいただくように取り組んでいました(むしろ演奏より力が入っているのではないか
ということも?!)。現役時代には、ディズニーメドレーを演奏した際に曲中お城の
モニュメントが舞台の右から左へ登場。
すると、なんとびっくり、魔法にかけられたのでしょうか??
指揮者が交代しているではありませんか!1年生での定期演奏会では、先輩方が
そんな楽しい演出を考えているのを見て、私もあんな楽しい演出をしたいなぁと思ったもの
でした。他にもUSJができたばかりの時でしたので、「USJメドレー ver.S」
(Sとは星陵のSです)と題し、学生指揮者の先輩がそれに関連する映画音楽を
メドレー形式に編曲され、星陵祭で演奏したりもしました。
舞台を暗くして映像を流したり、スターウォーズの演奏の時に、指揮棒がわりに
ライトセイバーを振っていたり…。入部したてのときの初めての舞台が
この星陵祭だったのですが、中学のときとは違い、演奏も大人数で迫力があり
演出も派手で高校生はやっぱり違うなぁ、大人だなぁと感動したことを思い出します。
ちなみに、先日の第40回定期演奏会でも楽しい演出が盛りだくさんでしたので、
星陵らしい演奏会の伝統が受け継がれているのだなぁと感じました。

現役時代には、平日放課後だけでなく土曜日や長期休みにもみっちり練習があり
部活づけの毎日でしたが、顧問の先生もご自身の時間を割いて練習に
付き合ってくださっていたのかと思うと、本当に頭が上がりません。
このように顧問の先生のご指導、OBOGの方や保護者のサポートがあったからこそ、
のびのびと活動できたのだなと改めて感じます。今は自分がOBの立場となりましたので、
楽しみながら現役生の活動を何かしら支えられればよいなと感じます。

現在は、リンク星陵でも執筆されている53回生岡田先輩が立ち上げた星陵高校吹奏楽部の
OB楽団である星陵ウィンドアンサンブル(SWE)の演奏会に参加したり、吹奏楽部時代の
仲間と一緒に市民楽団であるみなとウィンズに所属し、音楽活動を行っています。
私の担当楽器であるユーフォニアムには、同じく先にリンク星陵で執筆されている、
38回生吉岡さんという大変心強い先輩がいらっしゃいます。実は、コラム冒頭の写真の楽器は、
学生時代に吉岡さんから特別にお譲りいただいたものです。
この楽器があったからこそ、高校時代からのブランクを経て、再び音楽にふれる時間を
つくることができました。改めて感謝の気持ちでいっぱいです。
ちなみにこの写真はSWE演奏会本番前、楽屋での私です。楽屋ですのでよくみると
ハンガーやパイプいすが写っているのはご愛嬌…。

高校時代から社会福祉の世界に関心があり、進路相談で高校3年生当時の担任の先生に
励ましていただきながらなんとか大学に入学、大学では地域活性化や障害者就労の調査や
研究に取り組み、今は社会福祉の世界で福祉施設従事者の方や一般の方に向け、
福祉に関する研修の企画、運営をしております。現在の福祉業界でのトレンドは何か、
必要とされている知識、支援技法は何かをリサーチしながら、福祉業界で働かれている方の
スキルアップのための研修や一般の方を対象に介護や健康についての啓発講座を
企画していくのは、大変やりがいのある仕事です。自分の思いが企画となり、研修会の開催へと
つながります。ひらめきやセンスも問われるため普段から新聞やテレビ、書籍、雑誌等で
情報収集を欠かしません。受講いただいた方に、研修が終わったあと、
「よし、明日からちょっとやってみよう」「私もがんばってみよう」と少しでも
心が動くような、そんな研修を企画したいと考えています。

印象に残っているのは、地域で独居高齢者の方を見守ってくださっている方を対象とした
大きな講演会に携わったことです。毎年開催している講演会なのですが、
特にドレミの歌の日本語歌詞をつけられたペギー葉山さんの講演会はとても印象に
残っています。夫、根上淳さんの介護のお話をいただきましたが、「歌う看護師」といわれるように
とても前向きに明るく、聞く人のことを考えながらご自身の介護体験をお話しされていたのが
印象的でした。また、阪神大震災等大変な局面もあったなかで、長きにわたり地域で
見守り活動をしてくださっている方へのねぎらいの言葉をいただきました。
ペギーさんからお伝えいただいたメッセージは、とても励まされるものばかりで心が温かくなり、
また明日の活動への活力へとつながりました。事務局スタッフである私に対しても、
お帰りの間際に応援のメッセージを下さり、その明るくあたたかいお人柄にふれたときに、
ふと私自身も今までやってきたことは間違いではなかったんだなと認めていただけたような心が
動いた瞬間でもありました。

このように、各界のご活躍されている方から直接お話しを伺えることは、とても刺激に
なりますし、この仕事をしていなければ会えないような方たちばかりです。
仕事をしながら勉強させてもらえる、大変恵まれた部署で仕事をしております。
今後は、地域福祉を推進する、地域の方と直接関わるような部署に配属されることも
ありますが、今の場所だからこそ学べる多くのことを吸収していきたいと思います。

ちなみに、次の写真は、私の所属している団体の広報誌創刊号です。創刊号発刊当時、
新規採用職員ということで、なんとトップページに載せていただきました。

この広報誌は、街でも配布されておりましたので、もしかしたら持っておられる方も
いらっしゃるかもしれません?!記念に大事にとっておきたいと思います。
まだまだ職業人生の序盤ではありますが、私ができることは何か、を考えながら
社会福祉の世界に少しでも寄与できるよう取り組んでいきたいと思います。
最後になりましたが、星陵高校で出会えた多くのつながりが今も大きな支えになっています。
それらの出会いに改めて感謝し、このコラムを終えたいと思います。
ありがとうございました。