「星陵で将棋指してたら明石高専の職員になっていた件」戎 晴彦(高59)

【星陵囲碁将棋部の活動と現在】
星陵高校を卒業してからはや8年が経過しましたが、高校生活の華と言えば部活動!星陵に数多くある部の中で、自分が入ったのは囲碁将棋部でありました。なに、華がない?いえいえ、見た目は地味でも、お互いの知略を石と駒に託してぶつけあい、盤上に大きな華を咲かせるのが囲碁・将棋なのでございます。とはいえ、私個人的にはあまり華を咲かせることはできませんで、ここでは囲碁将棋部の活動歴をご紹介したいと思います。
囲碁将棋部は平成12年に55回生の中嶋真一郎先輩達によって、最初は同好会としてスタートしました。その翌年の平成13年に囲碁部門で当時全国大会連覇中であった灘高校を破り、囲碁部門の全国大会へと出場。この「灘高に勝った」という大きな成果により、同好会は無事に部活動へと昇格し、現在に至る基礎が築かれました。その後も、平成15年から平成17年にかけて将棋部門 女子団体で近畿大会三連覇を果たし、さらに星陵の「魁星賞」を第3回(平成21年)、第4回(平成25年)と囲碁将棋部が受賞するなど、先輩方・後輩達が見事な華を咲かせております。
ちょうど今年で囲碁将棋部は創設15周年となりましたが、現在も年に1~2回OB会を開催しており、自分と星陵を繋ぐ貴重な場となっています。そのOB会で必ずと言っていいほど出る言葉は「まさかこんなに囲碁将棋部が続くとは思わなかった」ということ。現顧問の福島文昭先生のご尽力もあって、今も楽しく活動しているとのことです。
やはり部活動は、高校時代の大切な居場所であり、思い出です。そしてその縁で、様々な道へと進んだ先輩後輩と現在もなお交流を持てているのは、非常に幸せなことだと思っています。

今年の星陵囲碁将棋部OB新年会の様子。
55~63回生までのOBが集まりました。
新旧顧問の福島文昭先生・高橋勝先生と一緒に。

【明石高専の事務職員として】
さて、高校とは違いますが、現在も私は学校という場所で日常を過ごしています。明石工業高等専門学校(以下明石高専)の事務職員に就職し、この4月で四年目を迎えました。
「高専」を皆さんはご存知でしょうか?高専とは「高等専門学校」の略であり、社会が必要とする技術者を養成するため、中学校の卒業生を受け入れて5年間(商船高専は5年半)の一貫教育を行う高等教育機関です。現在全国に51の国立高専があり、明石高専はその中の一校です。高専の卒業生に対する求人倍率は約10~20倍、就職希望者の就職率はほぼ100%という実績を誇り、明石高専の場合は東京大学をはじめとする有名国立大学への進学率も非常に高く、兵庫県では名うての進学校として認知されています。
…のはずなのですが、自分の場合、実は高専の存在をきちんと知ったのは就職活動の時でした。これは、自分が文系ということもあったかもしれません。しかし、積み上げてきた実績に比べると知名度が低いと思われ、少子化の時代でますます学生獲得競争が厳しくなる中、どう高専を広く社会にアピールしていくかが課題と考えています。

現在の職場、明石高専正面図。

明石高専の同僚達と、学生さんと一緒にリレーマラソンに出場した時の写真。学生と触れ合う機会が多いのはこの仕事の魅力の一つだと思います。

職場が学校で良かったなと思うのは、常に身近なところに学生がいるということです。高専には高校生から大学生までの年齢の学生が通っていますが、星陵生に負けず劣らず活況があり、一緒にいるだけで若さのエネルギーを分けてもらえている感じがします。学生と先生は学校の主役ですが、事務職員はいわば学校という舞台を整える裏方であり、教育現場を裏から支える「黒子」として、誇りを持ってこれからも仕事に取り組んでいきたいと思っています。
学校事務というと教務や就職支援のイメージが強いと思いますが、学校も組織である以上、会計や人事といった組織を動かすにあたり不可欠となる仕事が当然存在し、そうした仕事をこれまでは担当していました。しかし、今年の4月で三回目の部署異動となり、現在は産学連携を担当する部署に勤めています。具体的な仕事内容としては、企業や自治体と共同研究・受託研究の契約を結んだり、地域貢献の一環として、小中学生のための公開講座や、一般向けのイブニングセミナーのお手伝いをしています。イベント情報はホームページ上で随時更新しており、イベント以外にも明石高専における様々な活動を紹介しておりますので、是非一度明石高専のホームページをご覧下さい。
http://www.akashi.ac.jp/
最後は少し宣伝じみてしまいましたが、社会に出てみて分かったことは、想像以上に世間は狭い!ということ。明石高専でもそうだったのですが、本当に思いもかけないところで星陵生と出会ったりします。であるからこそ、人との繋がりを大事にしたいと思いますし、星陵高校の三年間で得た縁を、今後も大切にしていきたいと思っています。