平成27年度OB会報告 アメリカンフットボール部OB会

『第28回ポートボウルに参加して』

平成28年1月10日王子スタジアムで第28回ポートボウルが開催されました。天候もよく、絶好のフットボール日和です。
この日のポートボウルは私にとっての特別のボウルゲームでした。
60歳になる還暦赤ジャージが授与されたのです。今まで数々の偉大な先輩が赤ジャージを授与されましたが、自分も正にそのような年になったのだと実感しました。それと、一つ心に決めていたことがありました。それは60歳の時のボウルゲームには赤ジャージではなく、40年以上も前の高校時代のオリジナルユニホームを着て、オフェンス・ディフェンスフルタイムに出ようと。


さあ、第2クォーター、超OB戦の始まりです。フィールドに出た瞬間、熱い思いと緊張感が走りました。DLで入り、相手のOGの前にスタンスしました。Cの前のボールを横目でにらみスナップされた瞬間チャージに頭からいきました。心地よいヘルメット同士が当たる音がして相手QBに行こうとしますが、ブロッカーに阻止されて、これを振り切る体力がありません。相手ボールキャリアーには好き放題走られます。
でも、そのボールキャリアーを追いかけている自分がいます。心地よい一瞬ですが、誰か一人がボールキャリアーをつかみ、速度が落ちました。横からタックルに行きました。ボールキャリアーが倒れ、ボールデッドです。グラウンドに転がりながら、青空が見えました。走る、相手をヒットする、倒れる、跳ね飛ばされる、非日常の映画のようなシーンです。この非日常のゲームを楽しんでいる自分がフィールドにいます。そこにはもうすぐ60歳になる男に与えられた夢のフィールドでした。ハーフタイムも体が冷えないように走りこみ、第3クォーターに入り2点のリードを守るべくゲームを楽しみました。
第3クォーターが終わり、超OBの出番が終了するとスタンドに、怪我がないことを報告に行き、見に来てくれた同級生にも怪我がないことを報告しました。
これで、一年の楽しみが終了しました。
この試合に出るために、怪我なくボウルゲームを楽しむために、実は一年間密かにしていることがあります。それは骨を折らないよう毎日カルシュームの摂取と、ロードバイク(自転車)で3332.6㎞走りこみ、怪我をしない体を作ってきました。また、毎日体重と体内脂肪、内臓脂肪をチェックし、スマートフォンアプリに打ち込んで一覧表にして体調管理をしてきました。そうしないと老人の体でボウルゲームに出ると一発で大きな怪我をしてしまいます。
いつまでも怪我なく正式時計16分間動ける体をまた明日から作っていきます。

アメリカンフットボールという素晴らしいスポーツに出会え、齢60になろうかという男をフィールドに立たせてくれ、ゲームをさせてくれるこのポートボゥルを走ることが出来る限り、いや、歩くことができる限り出場しようと決めています。ありがとうございました。

兵庫県立星陵高等学校アメリカンフットボール部初代主将 齋藤裕彦(高26)