「星陵が、自分の原点」前澤 弘明(高34)

Profile:1963年生まれ。星陵高校同窓会理事。2013年度総会懇親会実行委員会副委員長。元・高校国語教師。現在は、さだプロ㈱所属のアカペラグループ「チキンガーリックステーキ」のメンバーとして活動。2002年8月に東芝EMIからメジャーデビュー。2013年4月から毎週日曜日10:20~東海ラジオ「アカペラジオ」出演中。
※ 「チキンガーリックステーキ」公式サイトhttp://www.cgs.jp
※ オフィシャルブログ「アカペラ症候群」http://ameblo.jp/chickengarlicsteak/
※ 前澤弘明Twitter https://twitter.com/maesawakomei729

1.はじめに
「星陵って、ええなぁ。」
「星陵生に出会えて良かったなぁ。」
高校時代の嬉しかったこと、楽しかったこと、悔しかったこと、あきらめたこと、感じたことのすべてが、今の自分の原点。
幹事学年として総会懇親会の準備している今、その思いが、より一層強くなっています。

2. アーチェリー部に入るはずが……
やったことないことに挑戦してみようと、アーチェリー部の見学に行きました。面白そうで、やる気満々でしたが、用具を全て揃えるとなると金銭的に無理かなと思い、断念。
次の日、中学時代に経験のある卓球部もありかな?と見学に行きましたが、何となく気が進みませんでした。
そして次の日、何部に見学行こうかなと廊下を歩いていると、向こうから美人二人組の2年生の先輩が来はりました。
「もう部活決めた?」
「いえ、まだです」
「じゃあ、コーラス部に見学に来えへん?」
誰がこのお誘いを断れるでしょうか!
音楽室に行くと、同じ高倉中学出身の同級生の男子が6人もいました(笑)
前年度に全国大会に出場していたコーラス部は、部員が男女合わせて60名以上いました。
気がつけば、譜面も読めず、音楽経験ゼロの私が、ハーモニーの魅力に夢中になり、3年生の11月末まで音楽室に毎日通うことになりました。

3.高校国語教師からの転職
高校2年生の時、将来の進路として、「星陵の教師になりたい」と考えました。自分たちだけでなく、これからの後輩たちにも最高の高校時代を過ごして欲しいと思ったからです。
母校の教師になるなら、教科は音楽が良いなぁと思いましたが、ピアノが弾けないから無理だなとあきらめました。2年の時に母校星陵に転任されてこられた山本巌先生の勧めもあり、書道科に決めました。
大学3年生の6月、星陵高校での1ヶ月間の教育実習は、充実していました。生徒たちに書いてもらったメッセージは今も大切に保管してます。
けれど結局は大学時代に書道に打ち込めずに終わってしまい、星陵で働く気持ちもなくなってしまいました。
塾のアルバイトで中学生に国語を教えているうちに、教えることの楽しさを実感し、中学の国語教師を目指す気持ちとなり、採用試験は神戸市を受け、合格しました。ところが、着任を命ぜられたのは、中学ではなく神戸市立の高校だったのです。高校で国語を教えるには力量不足で、毎日バタバタと過ごすことになりました。

教師として、ようやく何とか自分の方向性が見えてきた27歳の時、星陵コーラス部の先輩から「アカペラグループしてみいひんか?」と誘われて1990年に結成したのが「チキンガーリックステーキ」です。当時はアカペラグループが存在しなかったし、「アカペラって何?」という時代でした。定期的にライブをやり始めましたが、お客様が2人だけ(そのうち1人は星陵の同級生)というときもありました。でも続けていくうちに、アマチュアながら800人のホールが満席、自主制作のCD3000枚が完売という状況になりました。その後も、多くの方の応援のおかげで、さだまさしさんの所属する「さだ企画」の社長との出会いがあり、所属させていただくことになり、高校国語教師からアカペラシンガーに転職しました。

41歳で、とてもやりがいのある教師という仕事を何故やめたのか?

それは、生徒たちに対して「『時間がない、才能がない、お金がない』などの『ない』よりも、『やる気がある』の『ある』を大切にして、あきらめずに進路実現しよう!」と言ってる自分自身が、高校時代に音楽の教師になることをあきらめてたわけで、またここでプロとして挑戦することをあきらめるわけにはいかないと決意したからです。

4.そして今
2002年に東芝EMIからメジャーデビューしてから、アルバム11枚・シングル5枚などをリリースしました。NHK「みんなのうた」では、2003年に「やさしい風」、2009年に「風がきれい」がオンエアされました。
現在、毎週日曜日は東海ラジオで「アカペラジオ」という番組を担当しています。今年の1月と4月にはフジテレビ「ミュージックフェア」に出演しました。名古屋からスタートした全国ツアーは、8/31大阪がファイナルとなります。
全国ツアーの他に、台湾・上海・香港などの海外公演も経験しました。毎年恒例となった神戸国際会館こくさいホールでのクリスマスコンサートも楽しみです。

50歳の今、18歳の時には想像もしなかった毎日を過ごしています。身体が楽器だからということで47歳から始めたマラソンが趣味になってたり、教師時代には仕事だった国語教育研究を趣味で続けてたり、高校時代にあきらめた音楽の道に進んでたりするわけですからね。

5.最後に
8月4日(日)総会懇親会の当日、私は神戸にいません。

東日本大震災復興支援チャリティーコンサートのため、長崎で、さだまさしさん・佐田玲子さん・加山雄三さん・南こうせつさん・伊勢正三さん・STARDUST REVUE・ゴスペラーズ・アンジェラ アキさんなどの皆さんと一緒に歌っています。
34回生の皆さんをはじめ執行部や事務局の皆さんには、本当に申し訳ないです。
今年の幹事学年34回生の副実行委員長として、また理事としても、皆さんと協力して企画立案準備を2年間してきましたので、同窓会総会懇親会に参加できないのは、とても残念です。

34回生の仲間たちがワイワイ言いながら楽しく最高の準備してきましたので、8月4日(日)総会懇親会には一人でも多くの同窓生が参加して欲しいです。

いろいろなご事情で、楽しみにしていたのに参加できないと残念に思ってはる方も少なくないと思います。同窓会は、四中の先輩方から新卒業生まで、みんなで楽しく集う場として、これからも続きます。総会懇親会だけでなく、文化講座などいろんな行事があります。それらの機会を通して、皆さんと親睦を深め、良い刺激を与え合いたいです。
今後もよろしくお願いいたします。