平成22年度文化講座「ギザ台地の歴史とスフィンクス信仰」西村洋子(高31)

エジプトでは3月頃からハムシーンという砂嵐が頻繁に起こり、ピラミッドもスフィンクスも見えなくなるそうです。
2月27日(日)星友館でも「春一番」が吹くかの如く、本年度最後にあたる3回目の文化講座が開催されました。
講師は奈良大学で講師を務める西村洋子氏(高31回生)
内容は「ギザ台地の歴史とスフィンクス信仰」について。
HPを見て宝塚から駆けつけて下さったご夫婦もいらしたほどの盛況ぶりでした。

3大ピラミッドはクフ王、カフラー王、メンカウラー王の3代、父ー子ー孫の墓で紀元前2600~2500に建設されました。
彼らの妻や母の墓群を守るように置かれた大スフィンクスは掘り起こして建造されたため、地層がそのまま体の縞模様と
なっていること、その前足の間が礼拝堂になっていたこと、正面にはトトメス4世、南北にはラムス2世の石碑…古代エジプトを頭の中で想像するスケールの大きい講座でした。

また、「マアデイ層」「モカッタム層」という石灰岩の地層の解説から、砂に埋まっていたスフィンクスを助けてファラオになったというエピソードをもつトトメス4世の話、世界遺産として古代文明を守ろうとする現代では考えられない手荒な方法でピラミッドに侵入しようとした探検家達の話などなど、こぼれ話もたくさん伺いました。

オリオン座の三つ星と3大ピラミッドの星信仰の謎などまだまだ解明されていない古代エジプト。
砂嵐あり、こうもりあり、蛇あり、虫ありのインディージョーンズの世界を西村さんの解説を聞きながら是非廻ってみたいものです。
西村さんの個性溢れる表現に会場内は終始盛り上がり、1時間半の講義は終了しました。

講師プロフィール
奈良大学史学科非常勤講師