第68回卒業証書授与式挙行

平成28年3月1日(火)卒業証書授与式が執り行われ、68回生317名が母校を巣立ちました。
式に参列した礒田晴久同窓会会長(24回生)は次のように はなむけの言葉をおくられました。

68回生の皆様 ご卒業おめでとうございます。

ご父兄の皆様におかれましてもお子様のご成長を心よりお慶び申し上げます。また、学校長をはじめ、担任団の先生方、事務室の皆さん、多感な年頃の子供たちを本日までご指導されたご苦労に心より敬意を申し上げます。

私は同窓会長を勤めております24回生の礒田でございます。本日は、三万人の同窓生を代表して一言お祝いを申し上げます。
ここから皆様のお顔を拝見しますと三年前に同じ場所で入学式を迎えられた時はまだあどけなさの残るお顔でしたが、随分と逞しくなられたと感じます。それだけ、星陵で過ごした三年間は、皆さんにとって大きく成長する時間であったのだろうと感じます。

その一方で、卒業を迎えた喜びとともに、不安な気持ちもお顔から伺えます。私も四十数年前のことですが、明日からのことに夢と不安を感じながら、皆さんと同じく緊張して座っていたことを憶えています。その感覚は、その席に座った同窓生全てが感じたものです。中学校の卒業式とは違うと思います。その違いは、高校三年間で成長された証しであり、高校を卒業するということが、漠然と人生において大きな節目になるとご自身が感じていることから生まれているのだと思います。

多くの方が進学されると思いますが、大学は申し上げるまでもなく、自分の好きな学問を学ぶためにあります。そこは、全て自己責任の世界です。一方で高校は、自己責任の社会に出る一歩手前の準備期間であり、ご両親や先生に保護された世界です。守られた環境から飛び出す不安、それが今、感じられている気持ちです。
ドイツのローテンブルクという中世城郭都市の門にある有名な言葉が刻まれています。「この門より来たりし者に安らぎを、去りゆくものに幸せを」
この言葉は、今と違って旅行をすることは命がけだった中世の旅人に贈った言葉です。皆さんは、三年前に星陵の正門をくぐられ、安心して成長できる環境を与えてもらいました。そして今日、その門をくぐって新しい世界へ旅立っていく。最大限の愛情を注いでくれた先生方からは皆さんの未来を祝した言葉が贈られる。卒業とは正しく、この門の言葉のとおりだと思います。

これから皆さんが歩まれる道は、平坦な道ばかりでありません。必ず厳しい登り坂が現われます。その時は垂水から星陵高校へと続く急な坂を思い出してください。登らねばならぬ坂の上には、星陵高校のように、安らぎを与えてくれる場所が必ず待っています。苦しいときは、星陵高校の三年間を是非思い出して乗り切ってください。終わりに坂を登る力は、星陵高校の卒業生しか持つことのできない力であることをお伝えして、甚だ措辞ではありますが、ご卒業される68回生に対し同窓会からの餞の言葉とさせていただきます。