コラム『星陵生をたずねて』 同窓会に思う・・・絆 福田彰信(高19)

福田彰信さん(高19)
平成29年度総会にて

このコーナー「星陵生を訪ねて」は、平成29年初めのホームページリニューアルに伴ってスタートした「同窓会で活躍してこられた先輩方を紹介する」企画と伺っています。既に登場された方々は現役の方やリタイヤ後も支部長はじめ同窓会の要職でご活躍の方々ばかりで、私は評議員(昔の理事)に名を連ねてはいるものの、毎回評議員会に出席しているわけでもなく、たまたま総会実行委員長の肩書きを持っていたに過ぎない同窓生ですが、これからの同窓会を支えてくれる若い後輩の何か参考になれば、と恥ずかしながらペンを取った次第です。気楽に読んでいただけたら幸いです。

私は常々同窓会で重要なことは、世代を超えたふれあい「絆(きずな)」ではないかと思っております。在学当時にクラブに所属していると、当時から多くの先輩や後輩との交流があり、卒業後も何かと繋がりがありますが、私のような帰宅部(クラブに入っていない)は残念ながらそうした繋がりがありません。同窓会ではせっかくのチャンスがありながら最初のうちは積極的に溶け込んでいけず、同期の友と隅の方でほそぼそと会談している程度で終わってしまいます。

大学に進学してもクラブなどに所属しないと先輩後輩との接触はなかなか生まれません。社会人になると、職場などで「○○星陵会」や「○○星友会」といった同窓の会が出来たりしますが、必ずしも強い絆で結ばれているとは言い難いものです。それでも同窓ということでどこかで繋がっていることは事実で、思わぬところで結びつきがあるのは非常にありがたいことです。私も明石市に奉職してしばらくして先輩から声をかけていただき、参加させていただくことになりました。地元の明高卒業生が圧倒的に多い中で、先輩方が要職について中心で活躍されておられ、星陵の卒業であることが誇りでした。その上、非常に強い絆で先輩後輩が結ばれているので、何かあって相談にいけば親身になってアドバイスをいただけることが頼もしい限りでありました。また、そうした先輩方を通じて先輩の議員さん方とも接するチャンスをいただき、お陰で市議会などでは丁寧な応対をしていただいて感謝しておりました。明石市には、4代会長の山田彰さんが在職されていたことも幸いで、親睦旅行や忘年会などで親しくしていただき、理事会にも安心して出席することができ、同窓会にも出席しやすくなりました。

定期的に8月に開かれる総会は、創立40周年の時に50歳を迎えた回生が当番となって企画運営をすることに決まりました。一度くらい雰囲気を味わっておこうと、顔をだした同窓会は友達と連れ立って出かけたので一人と言うことはなかったですが、大勢の参加者でテーブルを二つも三つも占領している一桁回生の先輩方に対し、16~25回生でようやく1テーブル。肩身の狭い思いで羨ましく思ったものでした。我々19回生を含む前後の数回生は団塊の世代と言われ、数は多いがまとまりのない烏合の衆と比喩されるのも納得できるものでした。

この頃、卒業後初めて同期会を開催することができたのですが、数年後の当番役など念頭にもなく久しぶりの再会を楽しんだのでした。これまでにも各クラス単位での集いはあったようで、不十分ながら全体の名簿を整備することが出来たことは実行委員会立ち上げに大いに役立ちました。日頃から身近な集いが大切なことを痛感したのを思い出します。当時は今のように個人情報がやかましくない時代であったとはいえ、同期会開催にあわせて不明者の追跡に力を入れ,元の勤務先に問い合わせをしたり、やれることは徹底的にやったことを思いだします。特に男性は転勤で移動しても届けがあることは稀で、追跡が大変でした。女性陣は友達を辿っていけば何とかつかめる状況で、委員会のメンバーに女性が不可欠なことを痛感いたしました。

いよいよ実行委員会を担当する年が近づいた前年、何も知らずに19回生理事として理事会に出席したら19回生は私だけで、来年は実行委員会の担当だから君が実行委員長だね、と訳のわからぬうちに18回生の担当する実行委員会に副実行委員長として参加させていただくことになりました。実際のところ副実行委員長とは名前だけのようなものですが、翌年の担当回生の一人が先輩方と一緒にノウハウを学ばせていただくシステムは非常にありがたい制度で、会合などに参加させていただき、企画や運営などを学ばせていただいたことは非常に参考になりました。

もともと回生の理事は、卒業時にメジャーな中学校の出身者が選ばれていたわけで、私たちの回生も同様でした。彼は明石市内で家業を継いでいたのですが、たまたま仕事の関連で会ったときに、事業が多忙になったのでしばらく変わって欲しい、君は公務員だから移動もないし落ち着いてやれるだろう、ということで気楽に繋ぎのつもりで引き受けたのがそのままずるずると実行委員長を引き受けることになった次第です。こうした経緯ですが、先輩実行委員長であった隅田先輩はじめ18回生の多くの方々と触れ合うことができたおかげで,その後も多くの機会でご一緒させていただき、今に至っていることを非常に幸せなことと思います。ひょうたんから駒とはまさにこのことかと感じています。

 

 

 

 

 

 

 

その後、東海支部が発足した時、初代の支部長が生徒会で一緒で同期だった縁もあって設立総会に顔を出したところ、神戸から多くの18回生の先輩方も参加され友好を深めることができ、毎年総会に参加するようにまでなりました。「縁」というのも大事な要素のひとつではないかとつくづく思います。東海支部は少人数でアットホームをコンセプトに企画されていて、若い世代の参加も多く、強い絆で結ばれているのを感じます。毎年参加していく中で、縁あってそこで発足した「東海支部ダンス部」にも所属させていただくようになりました。今までお付き合いのなかった若い回生の方々とも交流する機会ができたことは、私の残りの人生に楽しみをもたらしています。こうした繋がりから、東京支部の総会にも顔を出して、世代を超えた回生の皆さまと歓談できるようになり、特に最後の校歌斉唱では世代を超えた仲間がスクラムを組んで「空は晴れたり」を歌うのは素晴らしいの一言に尽きます。これが楽しみで参加している、とまでは言い切れませんが、楽しみの一つであることに疑う余地はありません。

東海支部ダンス部の皆さん

19回生という限定された同級生から、卒業して同窓生になり、世代を超えて一桁の大先輩から二回りも違う若い回生の同窓生と親しく席を同じにして共に飲み共に歌い楽しむ。これが同窓という縁で結びついた素晴らしい「絆」ではないでしょうか。これからの同窓会にお願いしたいことは、この絆を大事にして後々に引き継いでいっていただきたいことです。そのためにも女性の登用を大事にして欲しいと思います。男女同権、男女雇用機会均等などが叫ばれて久しいですが、どうしても男社会というイメージから抜け切れず、同窓会においても、出席者の顔ぶれからも男性中心の傾向が見られるような気がします。子育てから開放された30代の女性陣、あるいは子育て真っ只中の女性が幼児同伴で参加できるような雰囲気づくり、例えば授乳室を用意するとか、女性の視点での同窓会作りも必要ではないかと思います。

私事になりますが、かって私も入園前の長男を連れて同窓会に参加したことがあります。長男はそこで星陵の素晴らしさを知り(子どもはそう思ってないかもしれませんが)、結果同窓生となることができたのでは、と思っています。これからも東京、名古屋と足を伸ばして多くの同窓生との絆を大事にしていきたいと考えております。