平成25年度OB会報告 アメリカンフットボール部OB会

星陵高校アメリカンフットボール部
~Meteors(現役チーム)とMontstar(OBチーム)とPort bowlと~

はじめに星陵高校アメリカンフットボール部の皆さまとOB会に感謝を申し上げたい。

去年2月の終わり、いきなり母校を訪れたにもかかわらず受け入れてくださった顧問の山下先生、川瀬ヘッドコーチ、織田コーチ、藤原コーチ、今井トレーナー、前キャプテン清水選手、よくキャッチボールの相手をした3年生の今井選手、いま受験勉強を頑張っている3年生、一緒に練習してもらっている現役選手、マネージャー、この1年心からアメリカンフットボールを楽しむことができました。感謝の言葉を何度言っても足りません。本当にありがとうございました。

さてこの冬1番の寒気が日本列島を包み、六甲おろしが吹き込む今月(1月)12日(日)星陵高校と市立西宮高校アメリカンフットボール部の定期戦Port bowlが神戸市灘区の王子スタジアムで開催されました。今年で26回目、高校フットボール界では唯一協会の年間行事に組み込んでいただいている学校対抗戦で、現役同士の試合、次いでOB同士の試合と2試合行われます。

私は第1回ポートボウルに若手OBとして参加させていただきましたが、転勤族である私はこれ以降疎遠となりました。しかし、3年前に大阪での勤務が始まり、去年の25回記念大会に「やじ(応援)」で参加しました。

この時です。何十年ぶりかに握った楕円球。もう触れることもないだろうと勝手に決め付けていた楕円球。そしておもむろに投じた1球は、わたしの心の中の何かを動かしました。わずかにスパイラルを描き10ヤード先に届いたこの1球。何とも言い表せない感覚、忘れていた感覚がよみがえり、いまでも目に焼き付いています。このボールを受けてくれたのが60回生で星陵高校卒業後関西学院大学で日本一となった糟谷君でした。彼の投げるボールは私の目から見ても美しくほれぼれするものでした。
「ようし、いつか見ていろ俺だって、一歩でも近づいてやる!!」と思いましたが、寄る年波には勝てずこのあと投げた球のほとんどは思い通りに行かずあらぬ方向へ・・・。

話は少しずれますが、糟谷君がコーチとして現役QBに投げ方を指導している様子を横からいつも窺っていました。そして自分のものにしようと毎日のようにボールを握り、彼の投球フォームを思い返しながら練習しました。彼がグラウンドに来た時は必ずキャッチボールをしてもらい刺激を受けていました。ことしの試合をご覧になった方は少しわかってもらえたと思いますが、50歳前にしてはまずまずのボールを投げていたのではないでしょうか。自画自賛ですが・・・。
彼とのキャッチボールがなければ12日のパスは投げられなかったと思います。

その後は現3年生でいま受験勉強まっただ中の今井君、前キャプテンの清水君、現QBの住本君といつもキャッチボールの相手をしてもらいました。ほんとにありがとう。まだまだ上手くなりたいからまた付きあってね。よろしくお願いします。

話を元に戻します。このあとベンチサイドからOBの試合を観戦していましたが、ボールを投げた感覚が手に残っており沸々と心に湧いてきたのは、「来年、出る。ポートボウルに出る。絶対出る。」という気持ちでした。そしてこのままの状態で試合に出てもフットボールに申し訳ないし、今まで運営に携わってこられたOBや現役のみなさんに失礼だし、自分自身も納得いかないと思い、母校での練習に参加させてもらうよう顧問の山下先生にお願いしました。それからおよそ一年、時間を見つけ週末に星ヶ丘に足を運ぶようになりました。

最初、現役の皆さんは困られたでしょうね。自分のお父さんくらいの、いやそれより年を取ったおっさんが何しにきてるんやろ?と。でもみなさんといっしょに体を動かしているうちに少しずつ打ちとけてくれましたよね。違ってたらごめんなさいね。

現役選手のひたむきさはとても刺激になりました。みなさんに負けないようにと自分も頑張ることができました。

今年のポートボウルで最後まで動くことができたのはみなさんと練習できたおかげです。そして今後も、微力ではありますが少しでも上達してもらえるよう私の経験を伝えていきたいと思いますしこれからも時間がある限り教えていくつもりです。
「現役の皆さん、このおっさんごときには絶対負けたらあかんよ。」

いま星陵高校Meteorsは「日本一」を旗印に掲げ、日々身体を鍛えています。チームの雰囲気はとてもよく、一丸となって目標に向かって一歩ずつ歩んでいます。OBの皆様、彼らを陰からだけでなく表からも多くのご支援、ご声援をお願いします。

さて、ことしの第26回大会を振り返ります。現役チームMeteorsは、はつらつとしたプレーを見せ、終盤まで粘りを見せましたが残念ながら7-19で敗れました。チーム事情を知る私としては負けはしましたが、最後まであきらめない気持ちで試合に挑んだ選手たちを誇りに思いました。春、そして秋の大会に向けてこの敗戦を糧に日本一を目指して突き進んでいくものと確信しております。

第2試合OBチームMontstarはというと、ことしは若手、超OB(35歳以上もしくは大学、社会人でプレーをしてない方)ともメンバーの集まりがおもわしくなく少数精鋭での戦いを余儀なくされました。前半から後半初めにかけては相手のリズムで試合が進み「星陵0-20市西」 と大差がつく展開。しかしここからMontstarの逆襲が始まりました。

僭越ながら私のランニングプレーでタッチダウン、Montstar最初の得点となると、その後相手に点を取られるものの粘りを見せます。第4Qの若手OBたちの攻撃力と集中力は鬼気迫るものがありました。ベンチもスタンドも含めて誰もが逆転を信じてプレーが続き、得点を重ねていきます。そして試合終了間際、「星陵20-26市西」と6点ビハインドまで追い上げさらにゴール前まで迫ったMontstar。ハドルの中で全員が「ここが踏ん張りどころ」と自らを鼓舞しながらも冷静にプレーに入っていました。

そして加藤選手(59回生)から投じられたパスは、相手をかわした糟谷選手(60回生)の手に収まりました。スタンド、ベンチが盛り上がる中、ただこれではまだ同点、エキストラポイントもパスを選択、加藤選手から放たれたパスを現Meteorsヘッドコーチ川瀬さんがキャッチ。逆転の瞬間です。その時幸いにも私はフィールドに立たせてもらっていました。両手を突き上げ喜びを爆発させたことは言うまでもありません。

「星陵28-26市西」星陵高校OBチームMontstarは劇的な逆転を演じ去年の雪辱を果たし勝利しました。私にとっても市立西宮高校に初めて勝った試合でした。

試合終了後は30回生 伊藤保先輩のお店「一品保」で敵味方の隔てなく親睦会。もしかしたらこの時間がポートボウルなのかもと酔っぱらいながら思ってしまいました。

最後に長年運営に携わって来られたOB会の皆様に感謝の念を送りつつ、この場を借り手伝いをしない自分への叱責とお詫びを申し上げます。今後、ポートボウルの火を絶やさないためにも何らかの行動を起こしていく所存です。ポートボウルの益々の発展を。

松崎 翼(高35)