「着物が好き、歌舞伎が好き、楽しいことが好き」加藤 久美子(旧姓:高田)(高33)

こんにちは!
33回生の高田です。昨年来、同窓会総会や同期会、さまざまな集まりやイベントに着物姿で出没しています。

着物を着ていると、「今日はお茶会でもあるんですか?」とか、「着物に関係するお仕事ですか?」などと聞かれることが多い。仕事は着物とは全く関係ありませんし、お茶は数年前に少しだけ習ったけど、面倒くさくなったのでやめました。「好きだから着てる」だけです。着付けは母がやっていたのを見覚え、あとは本などを見て。

「親がそろえてくれた着物がタンスのこやしになっている。もったいない」とよく聞きます。ハレの場面での訪問着、弟妹親戚の結婚式での黒留袖、葬儀での喪服など、節目節目で役立てればいいのですが、着物一式を準備して着せてもらって、手入れして片づける、というのを考えただけでおっくうになりますね。また、よほどの衣装持ちでない限り、紬や小紋など気軽なお出かけや趣味の場面に合う着物は持ってないでしょう。着物にも流行がありますから、20~30年前の着物は時代にも着る人の年代にも合わないことがある。というわけで、「親がそろえてくれた着物」はこやしになりやすいのです(笑)

写真は長女の七五三。子どもに着せ、自分も久しぶりに訪問着を着てみたものの、汚さないかと気が気ではありませんでした。長女2歳半、私28歳のひとコマです。

「娘の七五三」

私が現在着ているのは、ここ10年のうちに自分の好みで買ったりあつらえたりした着物です。着物リサイクル店の隆盛とネットの普及で、着物はずいぶん安価になりました。ワンピース1枚、スーツ1着くらいの値段でそこそこ着物のおしゃれを楽しめる時代になっています。

「あつらえ」は贅沢に聞こえるかもしれませんが、中間マージンを減らせるしトヨタのかんばん方式と同じく在庫の無駄がないので、呉服屋さんが普通に扱う品物よりリーズナブルで、自分の好みに合った着物・帯が手に入ります。

さて、着物を着てどこに行きましょう? 着始めたころはお茶の稽古やお茶会、着物に詳しい友達とお食事やショッピングをしたり、着物好きの母を誘って宝塚歌劇に行ったりしてました。今は、仕事と嵐の日以外、ほぼどこにでも着ていきます。

写真は昨年5月、銀婚のお祝いにおめかししたときのもの。

「姫路城の庭園内で」

歌舞伎に初めて行ったのは2005年の暮れ、京都南座の顔見世が最初です。その次は2007年の春。娘を連れて、南座へ中村橋之助中心の復活狂言を見に行ったとき、白塗りで端正な顔立ちの片岡愛之助さんを「素敵♡」と思い、この方の出ている芝居を中心に、せっせと劇場に通うようになりました。

歌舞伎の劇場は、京都なら舞妓さんや芸妓さんなど花街の方々、浅草や新橋なら芸者さんなど玄人衆が、ひとめでそれとわかる出で立ちで来ています。一般の方も着物が似つかわしいのが、劇場という空間ですね。また、そういう場所でカッコいいなと思う着物姿は、男女とも中高年、年配者です。洋服のおしゃれでは若い人に敵わないけど、着物の似合うオトナを目指そうという意欲がわきます。

写真は、こけら落とし公演中の歌舞伎座で、今年5月。

「歌舞伎座」

歌舞伎は、出雲の阿国ら男装の麗人による歌謡ショーが始まりであると聞きます。江戸時代には風紀上の都合で男性に変わったものの、庶民の娯楽として、大衆演劇として発展してきたものですから、決して高尚なものでも難しいものでもありません。笑いあり涙ありアクロバットあり、あっと驚く仕掛けありの歌舞伎の面白さを知ってほしくて、フェイスブックの「イベント」機能を利用し、今年の2月に33回生対象で、7月に同窓生対象で歌舞伎のイベントを組みました。「歌舞伎なんて中学生・高校生のとき以来」という方々を中心に、1回目は8名、2回目は12名の参加者があり、幸い好評をいただきました。

10月にも大阪松竹座で3回目の歌舞伎イベントを予定していますので、「興味はあるけど敷居が高い」「きっかけがない」と感じておられる方、ぜひご利用ください。

楽しいこと好き、イベント好きの性格は、星陵高校ではぐくまれたものだと思います。中学生までは内気な文学少女だったのですが、高校入学で豹変!
コーラス部で毎日声を出し、各種演奏会、コンクール、他校との交流会、クリスマス会、定期演奏会といった活動をしているうちに、ひとと関わったり行事をつくったりする楽しさにハマりました。

よくまあ、あれだけ毎日毎日歌い続けて平気だったなと思います。1年上、2年上の先輩たちの声は明らかに私たち新入生と違うのがわかるから、その先輩たちに教えてもらうのが嬉しかった。顧問の田村先生は、指導に熱が入ってヒートアップしてくると禿頭から湯気がたちのぼる。音楽室の黒っぽいカーテンをバックにして、ゆらゆらと上がる湯気は冬ならではの見ものでした。

「星陵祭の模擬店」

学校行事では、星陵祭がユニークでよかったですね。クラスでお化け屋敷をつくったりカキ氷を売ったり、フォークダンスやキャンプファイヤーを楽しんだり。講堂では有志バンドや後夜祭といった催しが持たれていましたし、3年生の先輩のクラスがゲイバーをやると聞いたときは「いったいここはドコなんだ?」と軽いめまいを覚えたほどです(笑)

古い椅子や机を壊して火を焚いて米を蒸し、ラグビー部が搗いた「だるま餅」。1年のときの担任が「だるま」の西村一信先生だっただけに、強く記憶に残っています。大学に入ってから、星陵祭とくらべて学園祭の地味さにがっかりしました。

これが「LINK星陵」に掲載されるころには、同窓会総会は終わっているでしょうか。実行委員長の黒木さんをはじめとする34回生の方々には、「世代を越えて飲みましょう」「ハイキング」などのイベントでお近づきになり、総会めざして頑張って活動されている姿に胸が熱くなりました。

私たち33回生は、昨年の総会で幹事学年としての役割があり、おかげで多数が集まれたことが大きな財産になって、今もひんぱんに交流が続いています。30年ぶりに出会う同級生たちは、高校生のころと変わらない部分と、よりいっそう魅力を増した部分を持っています。あまり話したことのなかった相手が、今になって素晴らしく気の合う、よい友達であったりします。

34回生の方々、お楽しみはこれからですよ! そして、続く35回生、36回生もぜひ、幹事学年の活動の中で友達の輪を広げ、楽しい50代のきっかけにしてください。